リフティングマグネットの事故を防ぐ5つのポイント
リフティングマグネットは電源が不要で、停電しても磁力が落ちません。ワイヤーを掛け替える手間もなくなるため、鋼材の運搬を大きく効率化できる道具です。
その力を確実に発揮させるために知っておきたいのが、「カタログの吊上重量は、どんな条件でも出る数字ではない」という点です。当店は2012年から専門店として運営し、累計12,000社(2025年10月末時点)にお使いいただいてきました。その中でよくご質問をいただく5つの点をまとめます。
1 鋼材の厚さで吸着力が変わります
カタログの吊上重量は、磁力が100%発揮される厚さの鋼材を吊ったときの数値です。当店のPML-10(1,000kg)であれば、100%の力が出るのは板厚40mm以上のときです。
| 鋼材の板厚 | 5mm | 10mm | 15mm | 20mm | 25mm | 30mm | 35mm | 40mm以上 |
| PML-10の吸着力 | 150kg | 300kg | 450kg | 550kg | 650kg | 750kg | 850kg | 1,000kg |
薄い鋼材は磁力が裏側へ抜けるため、その分だけ吸着力が下がります。薄板を扱う現場では、扱いたい重量よりも余裕のある機種をお選びいただくと安心です。
2 材質によって吸着力が変わります
| 材質 | 低炭素鋼 | 中炭素鋼 | 高炭素鋼 | 低合金鋼 | 鋳鉄 |
| 吸着力 | 100% | 90% | 80% | 70% | 50% |
板厚と材質は掛け算になります。PML-10で板厚20mm(550kg)の鋳鉄であれば、550kg×50%=275kgが目安です。鋳鉄を扱われる場合は、この点を見込んで機種をお選びください。
3 接触面をきれいにしてから吸着させます
吸着面に切粉・錆・塗装・ホコリがあると、鋼材との間にすき間ができて吸着力が下がります。鋼材側とマグネット側の両方を乾いた布で拭いてからご使用ください。吸着面に深い傷がある場合は、当店までご相談ください。
4 重心の真上で吸着させます
吸着位置が重心からずれていると、吊り上げた瞬間に鋼材が傾き、接触面の一部が離れてしまいます。長尺物は重心を確認し、必要に応じて2台使いで水平を保ってください。吸着後はいったんわずかに持ち上げ、傾きがないことを確認してから本上げに移ります。
5 重ねた鋼材は1枚ずつ吊ります
磁力は最上部の1枚に最も強く働き、下の板ほど弱くなります。複数枚をまとめて吊り上げると、下の板が外れることがあります。1枚ずつ吊るのが基本です。
機種選びはお気軽にご相談ください
「この板厚・この材質で◯kgを吊りたい」とお伝えいただければ、当店から適した機種をご案内します。板厚別の吸着力は全機種ぶんの実測値を公開していますので、あわせてご覧ください。
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